生活習慣病

お酒をやめたら血圧は下がる?

結論

 1日2杯以上飲んでいる場合は節酒による血圧低下が期待できる

ガイドラインの推奨

 「2杯っていってもビールなのか焼酎なのか分からないよ」と思いますよね。

 こちらの記事でもご紹介しているように、日本の高血圧治療ガイドラインでは

 ビール500ml・日本酒1合・焼酎半合・ワイン2杯

 と具体的に飲酒量の目安が示されています。筆者が大好きなウイスキーの目安はなさそうですが、アルコール濃度を考えると1杯/日ですかね…😅

論文紹介

 ガイドラインの推奨量は様々な研究を吟味して決められていますが、今回はその研究のひとつ、四大ジャーナルの一角「Lancet」から2017年にトロント大学から発表されたメタ解析研究をご紹介いたします!

 元論文のリンクはこちら

対象

36個の先行研究から計2865人(男性2464人、女性401人)を抽出

評価項目

収縮期/拡張期 血圧

結果

飲酒量0-2杯/日の群 :節酒による有意な血圧低下を認めなかった

飲酒量2杯/日以上の群:節酒による有意な血圧低下を認めた

飲酒量6杯/日以上の群:収縮期-5.50mmHg、拡張期-3.97mmHgの血圧低下を認めた

総評

 冒頭で示した通り、「2 drink=1日2杯」以上の飲酒習慣がある群で有意な血圧低下を認めました。さらに重要なのは、「元々の飲酒量が多ければ多いほど、節酒による血圧降下が期待できる」という点です。飲酒習慣が壊滅的な人ほど、節酒の恩恵を受けられます。

 飲酒は高血圧症だけではなく、多くの癌のリスクにもなり得ます

 筆者自身の自戒も含め、ガイドラインの推奨量

 ビール500ml・日本酒1合・焼酎半合・ワイン2杯

 をオーバーしている方は、これを機に節酒に挑戦してみてはいかがでしょうか?