結論
分からない
理由
減塩食は確かに血圧を下げる
しかし、心血管イベント発症率や死亡率を防ぐことは証明されていないから
論文紹介
99%の人が「減塩した方がいいに決まってるじゃん!」と思うことでしょう。もちろん私もそう思います。
2013年に発表された信頼性の高い文献 「Cocrhane Database」でも、「食塩摂取を4.4g/日減らすと血圧が3〜5mHg下がる」という報告があり、減塩食が血圧低下に繋がることは間違いありません。
しかし考えてみてください。私たちの目標はただ単に「血圧を下げること」なのでしょうか?
そうではなく、「高血圧に伴う合併症(心筋梗塞や脳梗塞など)を防ぐこと」が最大の目標です。ではその観点から今回紹介するのが、同じくCocrhane Databaseから2014年に発表された論文です!
![](https://nishimed-info.com/wp-content/uploads/2022/02/スクリーンショット-2022-02-05-23.34.45-1024x993.png)
対象
オンライン上の文献から減塩食 VS 普通食を比較したランダム化比較試験(RCT)を検索
評価項目
心血管イベント発症率
結果
減塩食により心血管死亡率と心血管イベント発症率は低下するが、有意差があるとは言い切れない。
考察
減塩食が心血管リスクを下げるという文献は多くありますが、それらの文献を統合した信頼性の高いCocrhane Databaseでは「有意差があるとは言い切れない」との結果でした。
しかし、今なお巷では減塩の重要性が叫ばれていますし、病院でも当たり前のように減塩6g食が出されます。私も外来では薬物治療の前に必ず減塩含む食事指導を行います。
Cocrhaneは非常にエビデンスレベルの高い文献ですが、この議論については今後のさらなる報告を待つ必要があると考えます☺️