結論
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- 減塩 6g/日未満
- 野菜・果物を多めに、飽和脂肪酸・コレステロールを少なめに
- 有酸素運動 30分/日 or 180分/週
- 節酒 ビール500ml・日本酒1合・焼酎半合・ワイン2杯
- BMI < 25
- 禁煙
各論
「こんなことできるわけねえだろ💢」とお思いのみんさん、安心してください。この6つを全部こなせている人間は、クリスティアーノ・ロナウド並みの世界トップアスリートくらいでしょう。
そもそも、こんな生活が守れる人がいたらまず高血圧にはならないでしょう。
「高血圧治療ガイドライン2019」が推奨しているのはあくまで理想論ですが、大切なのは「自分が現実的に改善できる部分はあるか」を考えることです。今回は、そんな6つの生活習慣の重要性を解説していきます。
減塩
「減塩によって血圧が下がる」というのは既にメタ解析で証明されており、おおよその目安ですが、塩分 -1g = -1mmHg の血圧低下効果が証明されています。
日本のガイドラインでは、1日の目標塩分摂取量を
目標 6g/日 未満
と設定しています。しかし、単に「塩分6g」といっても、あまりイメージが湧きませんよね?「公益財団法人 心臓血管研究所 附属病院」のホームページから引用した表では以下のように示されています。
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そんなに薄味の印象のないそばやうどんでも5g程度、この表にはありませんがラーメンを汁まで飲み干すとそれだけで6-7gを超えてしまいます。
減塩については詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照いただけますと幸いです。
食生活
高血圧症に対する食事療法のここ数年のトレンドは「地中海食」であり、オリーブオイル・ナッツ類等を中心とした食生活により「心血管イベントが約30%低下する」という大規模研究の報告もあります。
「じゃあ具体的に何をどのくらい食べれば良いの?」と思った方、詳細についてはこちらの記事で解説しておりますのでぜひご参照ください!
有酸素運動
90-150分/週の有酸素運動で、血圧が4mmHg低下する
ということが既に判明しいます。しかし、単に運動といっても、その強度は人によってマチマチです。目安としては、下記の表で「Moderate=中間」に該当する、早歩き、筋トレ、水中ウオーキングなどです。
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大切なのは「一定時間続けられる」ことです。ジョギングや水泳は運動強度は高いのですが、「強度」と「持続時間」のバランスで考えうると、赤枠で囲ったような「少し息が上がって汗をかく」くらいの運動がちょうどいいですね☺️
節酒
ビール500ml・日本酒1合・焼酎半合・ワイン2杯
その昔、「酒は良薬」とも言われており、実際に少量飲酒(ビール1日1缶程度)により心筋梗塞のリスクが低下するなんていう研究報告もありました。
しかし、現代においてはその風潮は廃れつつあり、現時点では「高血圧症患者は、飲酒量に比例して病気のリスクが上がる」というのが定説になりつつあります。
「では酒を一滴も飲むなと言うのか💢」というとそうではなく、高血圧ガイドライン2019では上記の通り、「リスクとなり得ない程度の少量飲酒なら許してあげよう」と提唱しています。
その「妥協点」の目安が上記のようになるんですね。晩酌が生きがいの筆者にとっては、書いていてとても耳が痛い項目ですね😂 (いつか「おすすめウイスキー10選」とかやってみたい…)
BMI
ガイドラインを参照すると、
目標BMI 25未満
が推奨されています。また、高血圧界の超有名雑誌「Hypertension」では、
体重-1kgにつき、-1mmHgの血圧低下
が期待できるとされています。根拠となる論文についてはこちらで解説しています☺️
禁煙
喫煙は癌や糖尿病など様々な疾患のリスクとなりますが、こと高血圧症においては各研究毎の報告がマチマチで「喫煙が高血圧を引き起こす」と断言することはできませんでした。
しかし、近年の大規模研究では、「15本/日以上の喫煙が有意に高血圧症の発症につながる」との報告があり、禁煙の有効性が示唆されつつあります。
「じゃあ15本/日以内まではセーフなのか」と思うかもしれませんが、わざわざ「禁煙」と書いているくらいなので、0本/日にする必要があるのです! 「節酒」という言葉はありますが、「節煙」という言葉は存在しません。
喫煙はほぼ全ての生活習慣病と、怖い怖い「癌」のリスクになります。近くの内科で禁煙外来があればぜひ受診してみてください!