結論
便潜血検査は毎年受けた方がいい…かもしれない
理由
大腸癌死亡率の有意な減少が認められたから
論文紹介
いまや日本人の死因の第1位を占める癌(悪性心生物)、その早期発見のための検診の重要性は年々高まっています。
その中でも大腸癌は欧米式の食生活や飲酒がリスクとなり、準生活習慣病とも言われています。そんな大腸癌の検診には大きく①便潜血検査、②大腸カメラ がありますが、今回はより簡単な便潜血検査の有用性について解説していきます!
今回も毎度お馴染み「the NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE」から、なんと30年間も追跡したランダム化比較試験「Minnesota Colon Cancer Control Study」をご紹介します!
![](https://nishimed-info.com/wp-content/uploads/2022/02/スクリーンショット-2022-02-06-17.01.35-635x1024.png)
対象
50-80歳のアメリカ人男女 計46551人
グループ分け
1-2年毎に便潜血検査を行う群 VS 対照群
に割付し30年間追跡
評価項目
大腸癌による死亡率
結果
大腸癌死亡率は改善する(相対リスク0.68)が、全死因死亡率は変わらない。
大腸癌死亡率の低下は、女性より男性の方が大きかった。
考察
冒頭の結論で「かもしれない」という曖昧な表現をした理由が何となく伝わったでしょうか笑?
便潜血検査は大腸癌のスクリーニング検査なので、「大腸癌死亡率が下がった=便潜血検査は有用である」という理論は成立します。しかし、「全死因死亡率は変わらない」というところが引っかかります。いくら大腸癌を早期発見できたとて、他の病気全部もろもろひっくるめたら死亡率は変わらないとのことです。
「じゃあ便潜血検査は意味がないのか」と言われると、そんなことはありません。大腸癌を早期発見することで、手術で人工肛門生活になる前に大腸カメラでの内視鏡治療が可能になります!
市町村から便潜血検査の案内が届いている方はぜひ、年に1度の便潜血検査をしっかり受けてくださいね!