新型コロナ関連

コロナワクチン接種が原因で他の病気が発症するリスクは?

結論

基本的にはない 

※一部の文献では、若年男性を中心に心筋炎の罹患リスクが高くなるとの報告あり

論文紹介

 「基本的にはない」と述べましたが、もちろん現時点ではワクチンの安全性を100%保証することは誰もできません。「新型コロナワクチンは絶対安全💪」なんてことを言っている医者がいるとしたら、それはヤブ医者かもしれません。

 しかし、新型コロナワクチンが「みんなが思っているよりは安全なワクチン」であることは確かだと思います。実際、本日紹介する「JAMA」の論文では、調査対象の23疾患に関してはコロナワクチン接種による罹患率増加を証明できませんでした。

 もちろん、この23疾患以外にもコロナワクチン接種が原因となる疾患が存在することは否定できません。しかし、ワクチンに対する過剰な恐怖を抱かないためにも、この論文を紹介して正しい知識を身につけていただきたいと思います!

対象

2020年12月〜2021年6月

アメリカのデータバンクから10,162,227人を調査

評価項目

ワクチン接種後3週間の、以下23疾患の発症率(読み飛ばしてください😂)

  • 急性散在性脳脊髄炎
  • 急性心筋梗塞
  • 虫垂炎
  • ベル麻痺
  • 脳静脈洞血栓症
  • 痙攣/てんかん
  • 播種性血管内凝固症候群
  • 脳炎/脊髄炎
  • ギランバレー症候群
  • 免疫性血小板減少症
  • 川崎病
  • 心筋炎/心膜炎
  • 肺塞栓症
  • 出血性脳卒中
  • 虚血性脳卒中
  • 血小板減少を伴う血栓症
  • 血栓性血小板減少性紫斑病
  • 横断性脊髄炎
  • 静脈血栓塞栓症
  • 急性呼吸促迫症候群
  • アナフィラキシー
  • 多系統炎症性症候群
  • ナルコレプシー/カタプレキシー

結果

ワクチン接種後 3週間以内 VS それ以降では、

上記23疾患の発症率に有意差を認めない

考察

 心筋炎や血栓症などを含む23疾患については、「コロナワクチン接種後3週間以内での発症率増加を認めない」との結果でした。

 しかし、この論文のキモは、比較対象が

 「コロナワクチン接種後3週間以内 VS 3週間以降」

 なのであって

 「コロナワクチン接種者 VS 未接種者」

 ではないという点です。

 つまり、この論文からは「接種後すぐに副反応が出やすい訳ではないよ」ということしか言えず、「未接種者と発症率が変わらない」とまでは言い切れません。

 冒頭で述べているように、一部の論文では、若年男性を中心に心筋炎の発症率増加が示唆されています。一つの論文だけに踊らされず、複数の文献を統合して吟味する大切さをひしひしと感じました…。